デンタルケアのお話

<歯石とは・・・>

image4-1.jpg

歯の表面に見える茶色や緑色の付着物―これが歯石と呼ばれるものです。もとは口の中に残った食べカスなどが集まったものですが、こういったプラーク(歯垢)は3日ほどで小さな歯石粒に変わってしまいます。

 歯磨きグッズである程度は歯石予防ができますが、そのような予防策を講じても、写真のように歯石がくっついて取れなくなってしまうことがあります。

        <歯石を放っておくと・・・?>

歯周炎・歯周病の原因になります。

 歯石をそのままにしておくことで起こるいちばんのお口のトラブルが、歯周炎です。

 歯肉に炎症が起こり、赤く腫れ、時に痛みを感じたり出血することもしばしばあります。
 歯肉はもろくなっているのです。


顔(頬部)が腫れることがあります。

 歯周病が進行すると歯周病菌が歯の根本深くまで広がり、歯根部を腐らせることがあります。

 とくに上あごの奥歯周囲で蓄膿症(歯槽膿漏)を起こすと目の下あたりが腫れたり、目やにや涙やけが増えるなどの症状が現れます。


心臓疾患の発生と密に関連があります。

 歯石は、簡単に言うと菌のかたまりです。
 歯周病の進行により、毛細血管内に歯周病菌が心臓へと流れていき、心内膜や弁に付着することでその形を変化させてしまいます。それにより心臓内部の血流に異常をきたします。


歯石除去Q&A

麻酔はかけなくてはいけませんか?

A.
全身麻酔で処置を行います。

 歯の裏側や歯周ポケットの歯石をクリーニングするには、専用の超音波スケーラーを使った念入りなスケーリングが必要になります。
 無麻酔下での処置は先の尖った器具を使用することもあり、思わぬ事故を招く恐れがあるためお受けしておりません。


一度歯石を取ればもう平気ですか?

A.
日々のデンタルケアは必要です。

 麻酔処置の目的は、現在の歯のエナメル質表面に付着している歯石を取り除くことです。再び歯石が付かなくさせる作業ではありません。
 ジェルやガムを用いたホームケアを行うことにより、麻酔処置で一度すべてきれいになったお口の中をそのまま維持していくことが大切です。


どのくらいの頻度でお手入れすればいいですか?

A.特に明確な期間はありません

 歯石が形成されるスピードにはかなり個人差があります。
 口腔内環境や食事習慣も大いに関係していますが、つまりはホームケアをしているかどうかだと思います。

 


歯は抜きたくないのですが。

A.一般的にぐらついている歯は無理に残さない方が良いとされています。

 歯周炎が進行することで歯肉の後退、歯槽骨(歯の土台となる骨)が溶けてしまう場合もあります。
 進行が著しい子には、トラブルの原因となる歯はなるべく抜歯してあげるようご提案しています。


何歳までできますか?

A.年齢の制限はありません

 ただし高齢になればなるほど内臓機能も落ちており麻酔に対してリスクも増えますのでご相談ください。


うちの子、口の中を触らせてくれません。

A.日々のことなので、無理しすぎないことも大切です。

 はじめからブラシでお口の中を磨かせてくれる子は、まず、いないと思います。
 お口の中を触れるのであれば、ガーゼなどを用いて歯の表面を指通しするだけでもだいぶ効果はあります。
 難しいようであればデンタルガム動物用歯磨きペースト上手に使っていくことも方法のひとつです。
 ※ヒト用の歯磨きジェルは甘味料(キシリトール)が入っており、動物には有毒ですので絶対に使用しないでください。

手術の流れ

全身麻酔をかけての処置となります。

超音波スケーラーを使って歯石を破砕します。
次にルートプレーニングで歯周ポケットをきれいに掃除してから、
仕上げとしてポリッシング(研磨)を行います。


①手術の日取り決め(ご予約) 

②手術当日は朝食なしで指定のお時間(午前中)に来院してください。(日付が変わる0時以降の絶食)

③問診後、お預かりいたします。

送迎車にて、提携病院:箱崎動物病院へ移動します。
 (箱崎動物病院 東京都世田谷区北沢3-2-18 03-5453-4710

④身体検査・各種検査 

 術前に内臓機能の評価のために血液検査を行います。他、検査については、獣医師にご相談ください。

 検査結果によっては、手術を延期した方がよいと判断する場合もあります。

⑤麻酔導入(注射麻酔)・手術(ガス麻酔)

 手術の時間中(13~16時)は、できるだけ病院からの連絡に出られるようご協力をお願い致します。

 ⑥手術後は麻酔の覚醒を確認できたのちのご退院(原則は日帰り)となります。

 歯周病の程度によっては、あるいは抜歯処置を施した子にはお薬が出ることがあります。

 ⑦約1週間後に術後チェック 

 抜歯処置後の経過など確認させていただきます。

 

執刀医からの術前説明、各種身体検査などございます。
可能でしたら箱崎動物病院へ直接ご来院をお願いしております。


料金

犬(5kg以下)

  30,000円  ・血液検査(生化学10項目+血球計算)
 ・麻酔料
 ・歯石除去
 ・一泊入院費 
猫(5kg以下)

  25,000円  ・血液検査(生化学10項目+血球計算)
 ・麻酔料
 ・歯石除去
 ・一泊入院費 
   内臓機能チェック   +3,000円  ・血液検査(生化15項目+血球計算)
   心肺機能チェック  +12,000円  ・胸部レントゲン+心臓エコー
    術前検査パック  +15,000円  ・内臓機能チェック+心肺機能チェックのセット

*こちらの料金に別途、初診料/再診料がかかります。

その他料金
初診料 1,500円 
再診料 1,000円 
一泊入院料 4,000円 
抜歯 5,000円 








*表示している価格はすべて税別です。