子犬から成犬へのフードの切り替えについて |
「子犬のフードから成犬フードへの切り替え方」
のお話しをさせていただきます。
フード切り替えの詳しいお話の前に、
子犬用フードがある理由をお伝えしたいと思います。
子犬用フードがなぜあるのか
成犬用フードではいけないのか
疑問に思ったことはありませんか?
それには子犬ならではの理由があるのです。
生まれたばかりの子犬は、
母親のお腹にいるうちにもらった免疫抗体と
生まれてから1~2日の母乳に含まれる免疫抗体によって
感染から体を守っています。
これを抗体移行といいます。
しかし、母親からもらった移行抗体は、
徐々に減っていき、なくなってしまいます。
その一方で自分で免疫抗体をつくる力は
少しずつ発達していきます。
移行抗体が減り、自分でつくる免疫抗体が十分でない時期は
抵抗力が弱く危険な状態となります。
免疫力が弱い時期の子犬をサポートするフードを
選ぶことが重要となりますので子犬用フードを与え
子犬が成長するために最適なレベルの栄養を確保してあげましょう。
子犬用フードから成犬用フードへ切り替える時期は、
犬種サイズや、成長速度が同じ犬種でも
性別や個体差によって異なります。
避妊・去勢をした愛犬は、その時期などによって
体内の代謝バランスが変化するため、
一般的な切り替え時期よりも早める場合があるそうです。
以下は、フードの切り替える時期の目安です。
子犬の体重増加が緩やかになり、
成犬の体型に近づいてきたら、成犬用フードへ切り替えましょう。
<切り替え時期:目安>
超小型犬(成犬時の体重 1-5kg) 生後8ヶ月頃
小型犬(成犬時の体重 5-10kg) 生後12ヶ月頃
中型犬(成犬時の体重 10-25kg) 生後12~18ヶ月頃
大型犬(成犬時の体重 25-45kg) 生後18-24ヶ月頃
超大型犬(成犬時の体重45kg以上) 生後24ヶ月頃
次にフードの切り替えにあたっての注意点です。
フードを替えるときに重要なのは、動物の腸内で共存している
多種多様な腸内細菌の集まり(腸内細菌叢)のバランスを保ち、
消化管内の酵素の分泌などに負担をかけることなく
スムーズに新しいフードに切り替えることです。
最初はこれまでのフードに新しいフードを混ぜて与え、
1週間から10日ほどかけて、徐々に新しいフードの割合を増やしていきましょう。
突然フードを変えたりすると、フードによって
たん白質、脂肪、食物繊維の量などの栄養設計が異なるので、
その腸内細菌叢が新しいフードに順応するまでに時間がかかります。
それにより、子犬やお腹のデリケートな犬は、
稀に下痢などの体調不良を引き起こすことがあります。
アレルギーや食物不耐性など愛犬の体質により、
どうしても新しいフードが合わない場合は切り替えを中止し、
獣医師に相談しましょう。