熱中症


毎年、夏の到来とともに、 特にお子さんや高齢な方が
熱中症で病院に搬送される...
こんなニュースを耳にすることがあると思います。

実はワンちゃんも、決して例外ではありません。
都心部や内陸地域の夏は要注意です。
ただただ暑いだけではなく、湿度がとても高いので、
熱が身体にこもりやすくなります。

よく耳にする『熱射病(熱中症)』について知っていただき、
いざという時の対処法まで、 4回のシリーズでお伝えしていきます!

第1回目は、熱射病(熱中症)とは、どんな事を指すのかお話します!

熱射病(熱中症)とは、過剰な外気温の上昇によって
深部体温が上昇した状態をいい、熱射病になってしまうと、

・呼吸が非常に速くなる。
・吐き気や下痢になる。

ひどい時は、

・ぐったり立てなる。
・痙攣を起こす。

高気温に加えて、日本の夏は湿度もかなり高いため、
熱射病になりやすい条件がそろっているともいえます。
ひどい症状にまで進行しないように、熱射病にかかる前に絶対に、
わんちゃんが出す危険信号を知る必用があります。
 


今回は、熱射病になる前に、わんちゃんが絶対に出す、
危険信号についてお話します。

危険信号の話を理解する上で、まず理解して頂きたい事が、
どうやってワンちゃんが、体温調節をしているかです。
人は暑くなると、汗をかくことで体温を調整します。
しかし、わんちゃんは汗をかかないので、汗をかく代わりに、
口を開けて「ハァハァ」呼吸することによって、熱を発散させています。
真夏にもなると、人も暑さに耐えかねてエアコンを入れたり、
熱射病にならないように気を使ったりするので、
かえってワンちゃんがひどい熱射病を起こすケースは少ないようです。

一方初夏のやや汗ばむ程度の季節では、
わんちゃんがまだ夏の暑さに順応しきれていないので、
人にとってはそれほど過ごしにくくない気候でも、
ワンちゃんの夏バテや軽い熱中症は起こりやすい傾向があるようです。
「このくらいは平気かな?」と油断せずに、
ハァハァ=危険信号
この位に思うようにして頂けると安心です。
 



今回は、暑さ対策について お話していきましょう。

熱射病に関しては、かからないように予防することが
非常に大切になってきます。
それでは、実際にどのような暑さ対策ができるか、みていきましょう!

①室温・湿度の管理
 エアコンや扇風機をうまく活用しながら、
 ワンちゃんがハァハァしなくて、人が快適な室温を調整しましょう。
 初夏のまだ暑くない時期でも、湿度が高いジメジメした日には、
 エアコンのドライ(除湿)をかけるなどの工夫が必要です。
②水分補給
 夏は身体から水分が 逃げやすい季節です。
 常に新鮮なお水を 飲めるように準備しましょう。
 お水が熱くならないように、直射日光が当たらないように、
 お水を置く場所に気を付けましょう。
③散歩の時間
 手のひらアスファルトにあてて冷たいと感じる時間帯が、
 一番良いお散歩の時間帯です。
 真夏では日が暮れてから数時間経った位の時間帯がちょうど良いでしょう。
④体感温度・体温を下げるグッズ
 ・洋服を濡らす ・保冷材を首に巻く ・クールマットを使う...など、
 身体にこもりやすい熱を発散させるサポートをする事も重要です。
 お散歩中などは、氷を入れた霧吹きを吹き掛けてあげるのもいいでしょう。
 こまめに、ワンちゃんが熱くなりすぎてないか、
 チェックするように心がけましょう。
⑤スキンケア
 梅雨から真夏にかけては、暑さで皮脂の分泌量が増え、
 またジメジメと湿度が高いので、外耳炎や皮膚炎を起こしやすいです。
 こうした皮膚のトラブルで身体の表面に熱を持ってしまったり、
 痒みでイライラし続けたりすることも余計な熱を身体の中に作ってしまう
 一因になることがあります。
 まめなブラッシングとシャンプーで皮膚の健康を保つように心がけましょう。
⑥体重管理
 太っている子は身体に熱がこもりやすいので、
 熱射病にかかりやすくなります。
 日ごろからの適切は食餌管理が大切です。
 また、毎日見ていると、微妙な変化に気付きにくくなります。
 時々、動物病院やサロンに行って、客観的に第三者に見てもらうのも、
 とても有効な手立てなので、実践してみましょう!
 



今回は、『もしも…』の時の 対処法について学んでいきましょう。
どんなに気をつけていても、熱射病になってしまった時…
そんな時は、冷静な対処が必要ですので、しっかり覚えておきましょう。

・意識がある場合まず体温を下げる事が重要です!

その為に、、、
①冷水で濡らしたタオルを身体にかける。
②風呂場や流し台で身体全体に冷水をかける。
 一刻も早く 体温を下げることが重要です。

また、水が飲める状態であれば、冷水をたくさん飲ませて
水分補給を行ってください。 ※ 体温の下がりすぎには注意してください。
体温が下がった事によって、見た目は平常に戻っても、
体内の循環器や臓器にダメージを受けている場合があります。
体温を下げて症状が落ち着いたからといっても、油断は禁物です!
必ず、動物病院で診察を受けるようにしましょう。

・意識がない場合
 意識がないことに慌てて、応急処置をせずに病院へ向かえば、
 途中で症状が悪化しかねません。
 冷水を身体全体にかけたり保冷材をあてたりしながら、病院へ向かいましょう。
 身体を冷やしてあげることを 忘れないようにしてください。
 意識がない場合は、病院での処置が不可欠ですので、様子見は禁物です。
 応急処置をしつつ、すぐに病院に連れていきましょう。


最後に…
・ワンちゃんは体温調節が苦手です。
・快適な夏を過ごすために体温調節を手伝ってあげましょう。
・夏のレジャーを一緒に楽しむ時は 十分注意してください。

熱中症は気をつければ防げるものです。
深い後悔をする前に、ちょっとの気遣い・工夫を心がけましょう。

最後まで読んでくださって、ありがとうございます!